追悼 羽田健太郎


題名のない音楽会21
「ピアノに愛された男」 
追悼 羽田健太郎を拝見する。


毎週日曜9時からの「題名のない音楽会21」を楽しみにしている。
その司会進行を務められている、羽田健太郎さんが突然亡くなられた。


羽田健太郎は、クラシックからポップス、ジャズまで、幅広い音楽性がある。
それは、「西部警察」や「渡る世間は鬼ばかり
などの作曲に結実している。


彼の指は、美しいメロディーを紡ぎだす魔法の指。
ジャズピアニスト前田憲男佐藤充彦、そして羽田健太郎の、
「花のワルツ」は圧巻であり、実に楽しいセッションだった。


ミシェル・ルグランとの「シェルブールの雨傘」を弾く彼は、
恩師に抱かれる少年のような、嬉しそうな横顔を見せていた。
私は、しばし、彼らの奏でるピアノの、
リリカルなメロディーに陶酔した。
演奏が終了したときの、「ブラボー」の歓声が耳に木霊する。


黛敏郎の司会進行の「題名のない音楽会」は、
空気がピーンと張り詰めた緊張感があり、それはそれで、
音楽の厳しさ豊かさを教えてくれた。
羽田健太郎は、春風のように優しい雰囲気があり、
音楽を身近に感じさせてくれた。
演奏家として優れた彼は、ピアノを通して、
様々なジャンルの音楽を紹介してくれた。


羽田健太郎のお気に入りのアンコール曲は、
「星に願いを」
羽田健太郎は神に召され星になった。