太陽がいっぱい
「太陽がいっぱい」(PLEIN SOLEIL)を見る。
地中海の青い海と抜けるような空が眩しい。
その眩しさを、一身に身に纏ったアラン・ドロン。
ギラギラした若き日のアラン・ドロンが魅力的だ。
悪魔のような青年トムを演じるドロン。
危険な匂いが、アラン・ドロンに漂っている。
この映画は、恋愛映画であり、サスペンスであり、犯罪映画でもある。
資産家の友人を殺害して、その財産と恋人を奪おうと、
計画するアラン・ドロン。
この映画は、完全犯罪が成功するか、否かも見どころの一つ。
友人のサインをまねたり、パスポートを偽造したり、
アラン・ドロン演じるトムは、悪知恵が働く青年。
また、女性を口説くときの仕草も抜群。
特に、彼のブルーの瞳は、まさにキラーアイ。
エンディングの名科白、
「太陽がいっぱいだ」
「最高の気分だ」
勝ち誇った表情のアラン・ドロンが印象的だ。
アラン・ドロンその人も若き日、天才詩人アルチュール・ランボーのように、
各地を放浪した体験を持つ。
この放浪は、彼の魂の放浪であったのかもしれない。
「太陽がいっぱい」は、巨匠、ルネ・クレマン監督
原作、パトリシア・ハイスミス
音楽は、二ーノ・ロータ
フランスとイタリアの合作。
理屈抜きで、二ーノ・ロータのテーマ曲は素晴しい。