男の器


武田晴信市川亀治郎)は、上田原の合戦で、初めて戦に負ける。
晴信は、板垣(千葉真一)甘利(竜雷太)の大切な重臣を失う。
甲斐へ引揚げようとしない晴信。
退却をしない晴信は、心中は動揺していた。
そんな晴信に、母の大井夫人(風吹ジュン)より、手紙が届く。
叱咤激励の、温かな母の愛情に満ちた手紙に晴信の心は氷解する。
晴信は、甲斐へ退却する。
我が子、晴信を諭す大井夫人。
アイドル時代の風吹ジュンから想像できない演技力に、瞠目する。
浅田美代子より、歌が下手なアイドル歌手と呼ばれた彼女だが、
数々のテレビや映画に出演する中で、演技力が磨かれたのだろう。


山本勘助内野聖陽)が、軍師としての本領を発揮して、
塩尻峠の戦いで、武田軍は、信濃の守護、小笠原軍に勝利を収める。
武田家は再び、信濃の地盤を固めることとなる。


勘助が、幼い四郎、後の武田勝頼に向ける優しい表情が印象的。
四郎は勘助にとって、目に入れても痛くない存在なのかもしれない。


負けを経験し、苦しみながら、戦国武将として晴信は成長する。
あの、織田信長、天下統一を果した徳川家康でさえ敗北した、
甲斐の巨人、武田信玄の器に一歩近づいた。