救う心


人間は、神仏に救われるのか、
否、人間は人間によって救われるのか・・・・
長尾景虎(ガクト)と山本勘助内野聖陽)の議論にしばし考えさせられた。
今回の「風林火山」は、二人の卓越した武将の禅問答でもあり、
実践的な心理学でもあるように思えた。


景虎は、救われたくば、神仏に帰依すべしと、唱える。
勘助は、己の忠誠を信念とし、生身の人間として救いを見出そうとする。
世俗を超越しようとする、シャーマンな景虎
世俗に真実を見出す勘助。
勘助と景虎、二人の対立する理念が火花を散らすが、
深いところでは、認め合っているようにも思えた。


主君の武田晴信市川亀治郎)は、勘助を見捨てなかった。
それは、勘助への情か、彼の能力を惜しんだからか、
何よりも、愛する由布姫(柴本幸)への配慮か・・・・・


宇佐美定満役の緒形拳の重厚な演技が光る。
まさに、緒形拳は、燻し銀の役者だ。