大女将カツノ逝く


今週の「どんど晴れ」を視る。


加賀見カツノ(草笛光子)に、明治生まれの祖母が重なることがある。
大女将カツノは、夏美(比嘉愛未)の、人生の師でもあった。
厳しくも優しいカツノ。
家業第一の、カツノの考え方は、一見古めかしいかもしれない。
但し、カツノの言動は、理に適っており、
老舗旅館の大女将としての、バランス感覚がある。
それ故、適切な人事と、個人の幸せを熟考して、
加賀見屋の継承を柾樹と夏美に任せたのだろう。


大女将であり家長であるカツノは、
常に、人の気持ちにかなう作法を心得ていた。
そうした姿が、亡き祖母の姿と重なる。
「男は15歳で元服する」
祖母の言葉が甦ることがある。


それにしても、夏美の白無垢姿は、綺麗だなと思う。
日本女性の、そこはかとない気品がある。
柾樹(内田朝陽)の紋付袴も男らしく凛々しい。
神前結婚の厳かな雰囲気も素晴しいなと思った。
古式ゆかしき結婚式ならではの、若い二人の初々しさ。
老舗旅館加賀見屋の跡継ぎを報告する場でもあった、披露宴。
夏美と柾樹が、加賀見屋を継ぐことに、
親戚の一部から不満がでる。
環(宮本信子)と夏美、女将と若女将として二人は、
見事な口上で、列席の人達の心を掴み、つつがなく式を収める。
結婚式は儀式である。
儀式・儀礼を遠ざける昨今、
儀式の大切さにを、「どんど晴れ」から学んだ。
儀式とは、先人の知恵の結晶だなとの想いを新たにした。