自分探しの旅


知り合いの女性が以前、インド一人旅に出かけたことがある。
もう10年ぐらい前になるだろうか。
当時、20代の女性であった彼女が何故、インドに一人旅に行ったのか、
私には疑問だった・・・・・
その答えは、今も聞かず仕舞いだ。


ハワイ、グアム、或いは香港、シンガポールなど東南アジア。
そしてフランスやイタリアを始めとしたヨーロッパなど、
若い女性に人気のある海外旅行が沢山あるのに・・・・・
知り合いの女性は、丁度会社を辞めて、
なんとなく日々を過ごしていると語っていた。
それから、半年後のインドへおんなひとり旅。



長澤まさみ主演の「ガンジス河でバタフライ」の後編を視た。
長澤まさみが、エネルギッシュな若い女性を演じていた。
喜怒哀楽を素直に表現していた。
私は、前編を視ていないのだが、
回想シーンで、当初は、インドに戸惑い、溶け込めぬヒロインてるこが、
次第に心の窓を開き明るく成長する姿を垣間見て、前編の理解となった。
私は、「ガンジス河でバタフライ」を視ているうちに、
インド一人旅をした彼女のことを、思い出していた。


ドラマの主人公、てること、長澤本人が等身大で、
無理のない彼女の演技が気持ち良かった。


塚本高史中谷美紀ら脇を固める俳優も良かった。
脚本の、宮藤官九郎のコミカルな、それでいて畳み込む話の展開を、
塚本高史が波乗りしてるような、開放感のある演技だった。
ガンジス河をバタフライする、てるこを激写する中谷美紀は、
どこか野生の感覚を呼び覚まされた、写真家のようだった。
長澤まさみも、そうした二人に刺激され、
開放感のある、伸び伸びとした演技をしていた。
ただ、少し伸び伸びすぎて、演技が荒くなったのも否めないが・・・・


てるこがガンジス河に飛び込むシーンは圧巻。
チョコレート色のガンジスをバタフライするてるこ。
長澤まさみの顔がクチャクチャになる。
体当たりの長澤まさみの演技が光る、
「ガンジス河でバタフライ」だった。


インド女一人旅をした知り合いの女性。
そう彼女も自分の人生に体当たりしたかったのだろうか・・・・・