酒とバラの男


 セルジュ・ゲンズブールの「Je suis venus tedire que je m’en vais」
(手ぎれ)を繰り返し聴いている。
低音で、セクシーな彼の歌声は、フランスのマダムだけでなく、
日本のマダムの心も掴むのではないか・・・・


酒とバラの日々は、男のあこがれだが、
そうした人生を全うした男は少ない。
フレンチ・ポップスの鬼才、セルジュ・ゲンズブールは、
まさに酒とバラの日々の人生だった。


心筋梗塞で倒れても、一日四箱のジタンを吸い、毎日のように酒をあおった、
無頼の鬼才は、女優ブリジット・バルドーを始め、数々の美女と浮名を流した。
歌手であり作曲家であり、映画監督でもあったゲンズブール
日本では、「夢見るシャンソン人形」の作詞・作曲者として知られるようになった。


彼の晩年の、デカダンな無精髭が印象的。
俳優のマルチェロ・マストロヤンニの髭を彷彿させる。
日本の俳優では、勝新太郎の髭。


酒と煙草と女を愛したセルジュ・ゲンズブールは、
どこか吟遊詩人のようだなと、思った。