瑞穂の国


先日、千葉県の木更津で、
早くも田植えをしていた。
それも、直(じか)に手で、早乙女が一つ一つ植えていた。
田んぼに、水が満たされ、
四月の春の光が、水田に降り注ぐ。
風にそよぐ早苗に、瑞穂の国、日本を実感した。
今更ながらだが、マスコミも農産物の日本の自給率低下に、
警鐘を鳴らし始めた。


過度な市場至上主義者の中には、
こうした自給率の低下を重要視しない意見もある。
付加価値の高い製品を生産し、海外に輸出し、
安い農産物を海外から輸入すれば、
市場原理からも、適切な経済政策になるといった理論。
しかし、国力とはそんなものなのだろうか・・・・
アメリカやフランスは、立派な農業国だ。


日本も瑞穂の国の伝統を守り、米を基本として、
今一度、農業の建て直しが必要なのではないか・・・・
治水の面からも、温暖化対策からも、水田は極めて重要だ。
水田の減少は、単に食料だけの問題ではない。


当面の課題は原油の高騰。
海外からの農産物も値上がりしている。
中でも、小麦の高騰は家計を直撃している。
ただし、まだまだ日本の食生活では、米の比重も高い。
小麦を主食とする国よりは、事態の深刻度は、大きくないのではないか。


江戸時代の鎖国社会に戻る必要はないが、
自給自足ができる国を目指すことも、
国の真の力に繋がるのではないか。
「備えよ」と言う事の大切さ。
『米びつの米が無くなってからでは遅い』