女子の本懐


以前、城山三郎の「男子の本懐」を読んだことがあった。
ライオン宰相と呼ばれた浜口雄幸と、
金解禁を実地した井上準之助の決死の生き様を描いていた。


「男子の本懐」があるように、「女子の本懐」もあるのではないか、
そんな思いが、宮尾登美子の「天璋院篤姫」を読み進むうちに強くなった。
篤姫は、徳川将軍家のため、日本のために働く。
薩摩藩島津斉彬や、第十三代将軍徳川家定などとの出会いを通して、
薩摩藩の分家の姫から、将軍の御台所に出世する。
幕末から明治の激しい歴史の移り変わりの中、
篤姫は、徳川家を守るという「女子の本懐」ともいうべき、
志を持ち生きたのではないか。


まだ、上巻を読了したにすぎないが、
「女子の本懐」その言葉が、篤姫に似合うような気がした。