篤姫

篤姫〜力の報復

宮崎あおい扮する篤姫は聡明にしておきゃんなお姫様。 そんな篤姫に主君島津斉彬(高橋英樹)が、 「力に対して力で臨めばそこに生じるのは憎しみだけじゃ」 と諭すように話していた。 けだし含蓄のある言葉だなと思った。 「峠まで登れば見えてくるものもあ…

篤姫再放送

たまたま美術展を鑑賞して、 帰宅してテレビを点けると、 宮崎あおい主演の大河ドラマ「篤姫」の再放送が放映されていた。 初めてて宮崎あおいを知ったのは、 同じくNHKの連続テレビ小説「純情きらり」だった。 演技派でありながら、 どこかチャーミング…

憑依する篤姫

昨年は、日曜の夜8時が楽しみだった。 なぜなら、宮崎あおい主演の「篤姫」があったからだ。 宮崎あおいに篤姫が憑依(ひょうい)したような、 そんな演技だった。 そして、しみじみ男女の情愛のようなものを考えさせられた。 家茂の後見役を良しとしない大…

昨日の敵は今日の友

昨日は、「篤姫」の総集編を見る。 西郷吉之助(小澤征悦)は、島津斉彬(高橋英樹)の命を受け、 一橋慶喜(平岳大)の将軍職擁立のため、東奔西走する。 篤姫(宮崎あおい)の家定(堺雅人)への輿入れにも、 西郷は汗を流した。 まさに主君斉彬のために、…

人生の転機

篤姫を演じたことは、 宮崎あおいにとって人生の転機だったのかもしれない。 今日の「土曜スタジオパーク」を見て、 そんなことを思った。 「純情きらり」を主演していた頃、 この「篤姫」の話があったそうだ。 始めは、篤姫を演じきれるか迷ったが、 次第に…

篤姫は幸せでした

宮崎あおいは、篤姫を演じることが幸せであり、 篤姫を演じることが、何よりも彼女の生きる証でもあったのではないか。 「篤姫」の重要なテーマは天命を知ること、 宮崎あおいの天命は、篤姫を血肉とし演じ切ることだった。 「篤姫」を生きる宮崎あおいに、…

一本の道

「篤姫」は、今日で最終回。 毎週楽しみにしていた番組だけに、寂しい。 週に一度の宮崎あおいの顔を見て、 元気をもらっていたので・・・・ 「篤姫」に流れるものは、 天命と役割、そして家族。 3年前私が代表を引き継いだ企業体が、 来年解散するかもしれ…

あおい篤姫

今日の朝日新聞の文化欄に「篤姫」を演じた、 宮崎あおいのインタビュー記事が掲載されていた。 宮崎あおいは、 「ここまで役に入りこんだのは初めて」 と、全身全霊で篤姫を演じていたことを、 率直に語っていた。 篤姫と宮崎あおいに通じるのは、 けれんみ…

明治前夜の再会

江戸城の明け渡しが迫る。 徳川二百六十五年の歴史が今まさに、幕を閉じようとしていた。 それは同時に大奥の幕も閉じるということであった。 家定(堺雅人)や家茂(松田翔太)の 思い出を噛み締める天璋院(宮崎あおい) 『そちのいるところ、そこがすなわ…

無血開城

西郷(小澤征悦)の心を動かす手立てを模索する天璋院(宮崎あおい) 幾島(松坂慶子)の西郷の心を動かす人物は、 殿しかいない、その言葉に閃く。 天璋院は、島津斉彬(高橋英樹)の手紙を勝海舟(北大路欣也)に託す。 西郷は、勝の言葉に耳は傾けるが、 …

大奥の使者

今回の「大奥の使者」では、 大奥から、朝廷へは、静寛院(堀北真希)から、 近衛家へは、天璋院(宮崎あおい)から、 それぞれ慶喜(平岳大)の助命の嘆願書を提出することとなる。 ところが、近衛家の反応は冷たく、 唐橋(高橋由美子)は書状の受け取りを拒…

あおい篤姫を生き切る

NHKの「トップランナー」を見る。 ゲストの宮崎あおいが、「篤姫」とマイブームを語っていた。 兎も角、彼女を見ていると、元気が出る。 「演じるというより篤姫を生き切った」 そんな彼女の言葉が印象深い。 私も、日曜に、NHKとBSとで二度。 土曜…

慶喜救出

幕府軍と薩長軍との戦が始まる。 世に言う鳥羽伏見の戦い。 よく明治生まれの祖母が、 「勝てば官軍」 と言っていたのを思い出した。 錦の御旗を掲げた薩長軍は、単なる軍隊ではなくなる。 水戸藩出身の尊王の思想の強い慶喜(平岳大)は、 自らが朝敵になっ…

龍馬死すとも

玉木宏演じる坂本龍馬に、初めは少々違和感があったが、 回を重ねるとともに、玉木龍馬が存在感を増してきた。 自由闊達な龍馬を玉木宏は、好演していたと思う。 今回は、帯刀(瑛太)と龍馬との盟友としての友情、 勝海舟(北大路欣也)と龍馬との師弟愛を…

嫁の決心

天璋院(宮崎あおい)や和宮(堀北真希)の嘆き悲しみようを見て、 家定(堺雅人)家茂(松田翔太)が少々うらやましく思えた。 今の男達、取り分け夫は、これ程妻に愛されているのだろうか・・・・ 勿論、家定も家茂も、女性に温かく優しい男性だ。 そして…

天璋院篤姫読了

「天璋院篤姫」上巻・下巻を読了。 上下巻通読して、波乱万丈の篤姫の人生に魅了された。 特に青春時代を描いている上巻は、読んでいて飽きなかった。 大河ドラマでは、小松帯刀(瑛太)が重要な役となっているが、 宮尾登美子の「天璋院篤姫」では、登場す…

篤姫と百恵

山口百恵の著作「蒼い時」に、 映画「潮騒」のロケでの、こんなエピソードがあった。 それは、ロケ地である神島の地元の人達の印象を聞かれた時、 「とても親切な人達ですね」 と、優等生的な答えを百恵はしたのだが、 三浦友和は、 「まだ、よく話していな…

息子の死

「将軍として、自分は何かを成し得たのだろうか」 志半ばで倒れたの家茂(松田翔太)は、無念を勝林太郎(北大路欣也)に嘆く。 勝に抱きかかえられ、永眠する十三代将軍家茂。 徳川家茂、二十一歳の若さであった。 松田翔太の鬼気迫る演技が光った。 息子の…

女子の本懐

以前、城山三郎の「男子の本懐」を読んだことがあった。 ライオン宰相と呼ばれた浜口雄幸と、 金解禁を実地した井上準之助の決死の生き様を描いていた。 「男子の本懐」があるように、「女子の本懐」もあるのではないか、 そんな思いが、宮尾登美子の「天璋…

薩長同盟

今回は、坂本龍馬(玉木宏)の活躍が目立った。 小松帯刀(瑛太)と坂本龍馬、 この二人が、犬猿の仲の薩摩と長州を結びつけた。 世に有名な薩長同盟だ。 それにしても、幕末の動乱の時代になると、 両藩の藩主(トップ)ではなく、 家老や藩士が、藩の政を…

将軍と月見草

嘗て、楽天の監督、野村克也は自らを月見草に譬えた。 巨人軍のスパースター長嶋茂雄が向日葵なら、 自分は月見草だと・・・・ しかし、実際の記録は、野村克也のほうが、 本塁打、安打、何れも長嶋茂雄より上った。 記録より記憶に残った長嶋茂雄。 「篤姫…

薩摩燃ゆ

1863年文久3年、幕末の転換となった事件薩英戦争。 鎌倉時代の元寇以来の外国との戦争。 薩摩は、砲台を破壊され、町を焼き、 英国も軍艦にかなりの被害を受けた。 この戦争、薩摩と英国の痛み分けといった感がある。 攘夷の決行が無理であることを、 …

姑の心嫁の心

姑である天璋院(宮崎あおい)と嫁である和宮(堀北真希)との、 家茂の京への上洛を巡る確執。 「京で公方様に何かあったら天璋院さんを恨みます」 と和宮。 天璋院も和宮も家茂(松田翔太)を愛していることに変りはないが、 母と妻、それぞれ立場の違いか…

友情と決別

馬が合う、合わないとはあるもの。 天璋院(宮崎あおい)と島津久光(山口祐一郎)とは、 どうも馬が合わない。 「そちとは、二度と会うことはないじゃろう」 と久光に言い残し立ち去る天璋院。 異母兄弟の兄斉彬(高橋英樹)とは、 固い信頼関係で結ばれて…

疑惑の懐剣

家茂(松田翔太)は、和宮(掘北真希)のもとにお渡りするが、 なかなか二人は打ち解けない。 和宮は、手を握ろうとする家茂を受け入れられない。 そんな和宮に、剣を懐に忍ばせているとの疑惑が浮上する。 天璋院(宮崎あおい)は、自ら和宮に会いに行く。 …

公家と武家

今週の「篤姫」は、公家と武家のしきたり、 広義に言えば、文化の違いから来る、 様々な軋轢を、大奥の女中と宮中の女官を通して描いていた。 初めて家茂(松田翔太)と和宮(掘北真希)との対面に、 そこはかとない乙女心を垣間見たような気がした。 「鬼」…

皇女和宮

天璋院(宮崎あおい)の心には、嫁から母、 そして姑の心が芽生え始めている。 それは、家茂(松田翔太)への愛情が深まり、 心を通わせることで強くなる。 息子への愛情が、 「まだ、結婚は早い」 と、軽い嫉妬となることがある。 桜田門外の変で、幕府の威…

桜田門外の変

一期一会。 幾島(松坂慶子)との出会いと別れ。 そして、天璋院(宮崎あおい)と井伊直弼(中村梅雀)との出会いもまた、 一期一会であった。 茶席をともににして、 天璋院と井伊は、お互いを分かり合う端緒となる。 「くやしいが、こんなに美味しいお茶を…

さらば幾島

天璋院(宮崎あおい)と幾島(松坂慶子)は主従を超えた、 いわば同士であり、戦友のようだ。 幾多の荒波を乗り越えてきた二人。 近衛家老女・村岡(星由里子)を救う際も、 以心伝心ぶりを、発揮していた。 しかし、その二人にも、別れの日が迫っていた。 …

将軍の母

「希望」その言葉を探す天璋院(宮崎あおい)。 家定(堺雅人)亡き後、天璋院にとって、希望を見出すこと、 それこそが、彼女の生き甲斐でもあった。 家定の言葉が、篤姫に甦る。 「慶福の後見となってくれ」 天璋院は、井伊直弼と対峙しながらも、 徳川宗…