慶喜救出
よく明治生まれの祖母が、
「勝てば官軍」
と言っていたのを思い出した。
錦の御旗を掲げた薩長軍は、単なる軍隊ではなくなる。
水戸藩出身の尊王の思想の強い慶喜(平岳大)は、
自らが朝敵になったことに驚愕する。
幕府軍を置き去りに、江戸に慶喜は江戸に退却してしまう。
慶喜は、勝海舟に力になって欲しいと頼むが、
「お会いすべきは天璋院様です」
と、説かれる。
渋々天璋院と面会する慶喜。
「貴方はわたくしを侮っているのではないか」
強烈な言葉を天璋院(宮崎あおい)は慶喜に浴びせるが、
慶喜は家族であり、命にかけて救うと宣言する。
更に、上に立つ者の孤独とプレッシャーについて語り、
慶喜の心中を察し、優しくねぎらう。
家定(堺雅人)、家茂(松田翔太)の分まで長生きするようにと、
慶喜に説く天璋院であった。
天璋院の思いの通り、徳川慶喜は、大正まで生きた最後の将軍であった。
慶喜は天璋院の意の通り、恭順謹慎する。
天障院は、全権を勝海舟に委ねる。
政の采配を揮う天璋院は、
まさに鎌倉時代の尼将軍、北条政子のようだ。
徳川慶喜役の平岳大の横顔が、
同じく大河ドラマの「樅の木は残った」
の原田甲斐役の頃の父、平幹ニ朗に似ているなと思った。
彫り深い顔立ちから漂う、
知的で、それでいてどこか哀愁のある面はが・・・・・