最終話


    風花のまつ毛の先の遥かかな


野風を送りだす咲のまつ毛に刹那の雪が・・・・・


結納の当日咲(綾瀬はるか)は、
仁(大沢たかお)が野風(中谷美紀)の手術をすることを聞き、
心ごと体ごと仁のもとに走る。


あとさきを顧みぬ咲、
それはまさに家定(堺雅人)逢いたさに、
大奥の御禁制の扉を開けて走る篤姫宮崎あおい)の姿。
咲と篤姫が私の中で二重写しになっていた。


「汗を拭かねばならぬ方がいらっしゃるのです」


以心伝心の仁と咲。


咲の魅力はこのひたむきさ。
橘咲の礼儀に適った言葉と所作に、
武家の娘の美しさを感じた。


野風には、己の運命(さだめ)をわきまえながらも、
誇り高く生きる花魁の姿、
仁にまるごと、己の命を任せる潔さに爽やかさを感じた。


坂本龍馬役の内野聖陽の演技も光る。
つばを咲役の綾瀬はるかに飛ばしてしまい、
「王様のブランチ」で謝っていたけど・・・・


それにしても仁役の大沢たかおの、
「はい」
という返事と、
クシャクシャの笑顔が良かった。