居酒屋ゆうれい


舞台は横浜だが、どこか東京の下町のような雰囲気のある居酒屋。
居酒屋の名は「かずさ屋」
壮太郎(萩原健一)は女房のしず子(室井滋)を病で亡くし、
男やもめだったが、兄の紹介で里子(山口智子)と所帯を持つ。
ただし、先妻のしず子が今生に残した言葉あった。


「結婚したら化けて出てくるからね」


この映画は居酒屋の主人壮太郎と前妻のしず子後妻の里子
とのユーモラスな三角関係で展開する人情ドラマでもある。


居酒屋「かずさ屋」には常連の客が集まり、いつも賑やかだ。
辰夫(三宅裕司)幸一(西島秀俊)佐久間(橋爪功
はお互い顔なじみで、楽しく酒を酌み交わしている。
西島秀俊がまだ青年といった感じで、
どこか茶髪が似合ってないのが、彼らしくもある。


山口智子の明るい若女将さんぶりが良い。
甲斐甲斐しく働く里子の、
ノースリーブからの二の腕が色白で艶っぽい。
まさに二の腕美人!
そんな里子にも過去があった。
その過去の男を豊川悦司が演じている。


居酒屋の主人役の萩原健一
私の世代は「前略おふくろ様」のさぶちゃんと重なってしまう。
さぶちゃんの20年後の姿。
それにしても萩原健一は板前が似合うな・・・・


前妻のしず子の言葉通り壮太郎が結婚したことで、
嫉妬したしず子は幽霊になった。
しず子は「幽霊」というよりは「ゆうれい」といった感じ・・・・
どこか淡々としたところがある。
毎夜しず子は、壮太郎・里子夫婦にいたずらをして二人を悩ます。
でも、どこかしず子のいたずらは憎めない。
人情紙風船でしず子は遊んでいたのかもしれない。