裸婦のはだえ


「ホキ美術館」の「開館特別記念展」を観覧。
「ホキ美術館は」は千葉県緑区あすみが丘にある。
車だと東金道「中野インター」より15分ほど。
電車だとJR外房線土気(とけ)駅南口下車、
あすみが丘プランニューモール行きバスで5分、
「あすみが丘東4丁目」で下車すぐ。


ホキ美術館は、館長保木将夫が収集した、
日本の現代写実絵画のコレクション300点の中から、
常時160点を展示している。
この美術館は写実展示のために設計されており、
三層の長い回廊のギャラリーに、
ピクチャーレールなしで展示されている。
照明の工夫もされており、
LEDとハロゲンの照明が天井に埋められている。
森本草介野田弘志・中山忠彦などの作品が展示されている。


私の展示会の率直な感想は、
日本の女性のはだえは、なんと美しいのだろう。
一種驚きであり発見でもあった。
次々に裸婦の絵画を鑑賞しながら、
私は大和撫子のはだえに魅了されていた。
特に裸婦のはだえは写実主義の画風ゆえ、
肌理の細やかさを誠実に描いている。
森本草介の「横になるポーズ」
背中からお尻にかけての絶妙な曲線。
精緻な筆と格調の高さ・・・・


島村信之の「小憩」の夫人の滑らかな背中の美しさ。
なんといったら良いのか、
裸婦の肢体から性急なエロティシズムではなく、
安心感というか、どこか慈母観音や聖母マリアの母性を感じる。
ゆるやかなエロティシズムが時空を流れている。


他に原雅幸の「光る海」が印象に残った。
今は関西空港になってしまった34年前の大阪南部の田園風景。
前景の段々畑や小屋。
霞んで見える海岸。
そしてやや黄色を帯びつつ光る夕陽の海。


生島浩の「5・55」の若いご婦人が魅力的だった。
エキゾチックな顔立が印象的だ。
ただ、ご婦人の目線は作者になく、
どこか違うところにあるような、よそよそしさがある。


今日は春の休日を楽しめた美術展だった。