黒いマントの男


「あなたって黒いマントが似合うわよ」
「どうして・・・」
「だって吸血鬼みたいだから」
「吸血鬼?」
「そう、黒いマントが似合う吸血鬼」
「それって褒めことばなの」
「そうよ吸血鬼を愛した女は、彼に身も心も捧げるんだから」
「あたし黒いマントの男の夢をみるのよ」
女は深紅のドレス。
色白の細面の顔が微笑んでいる。
「俺が吸血鬼なら君は吸血鬼カミラだ」
「いやね、カミラみたいに狂暴じゃないわよ」
「だって別れ際に首筋を甘噛みしたじゃないか・・・」
「あれは、ちょっと舐めただけよ」