蟬しぐれ


    蟬しぐれ
     礫となりて
       われを打つ


(せみしぐれ つぶてとなりて われをうつ)


季語は蟬しぐれで夏


藤沢周平の「蟬しぐれ」を読んでいる。
この「蟬しぐれ」市川染五郎主演で映画化もされている。

蟬しぐれの一場面で、
切腹した父親の遺体を荷台に乗せて運ぶ、
少年牧文四郎の姿が描かれている。
ある者は遠くから白い目で見る、
またある者はあからさまに嘲り笑う。
そんな沿道の人々の礫(つぶて)のような視線に耐えて、
炎天下、文四郎少年は父の遺体を乗せて梶棒を引く。