冬鹿のおのが木霊に耳立てり

森閑とした冬の山、
枯木の林を一頭の鹿が立っている。
ふいに何かを思い出したように
鹿は遠くに向かい鳴き声を上げる。
そして、鹿をおのれの鳴き声を
仲間の鳴き声かと思い耳を立てる。
しかし、それは木霊でしかなかった。
孤独にたたずむ冬の鹿に
自らの思いを重ね句作しました。


*木霊(こだま)山や谷で、音や声がはねかえって聞こえてくる・こと(もの)。やまびこ。


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