ガラスの魔術師、ルネ・ラリック

私が、初めてルネ・ラリックを知ったのは、
白金の東京都庭園美術館であった。
庭園美術館は、旧朝香宮邸として、1933年に建てられた、
アール・デコ様式の建物を、1983年に美術館として公開したものである。
私は、ラリックのガラス工芸が好きだ。
ラリックは、もともとジュエリーデザイナーであり、センスが良い。
庭園美術館のガラスの扉は、ラリックによるものだ。
バカラなども有名なのだが、わたしの趣味にピッタリくるのは、
ラリックの作品だ。
ラリックは、多彩だ。
例えば、カーマスコット(ボンネットに付けた装飾)にも、優れた作品がある。
シボレー、ジャガーロールスロイス、など、いずれも有名な車種だ。
勿論、本業のガラス工芸も、コティ、ゲラン、ニナ・リッチなどから、
依頼されている。
色合いの特徴は、半透明で乳白色であること。
光により微妙に、色彩が変化する。
デザインとしては、動物、女性像、花などが描かれている。
アール・ヌーボーからーアール・デコまでを、体現した工芸作家であった。
ラリックの作品は、箱根ラリック美術館、北澤美術館などに、
展示されている。


ルネ・ラリック1860〜1945フランス生まれ
ガラス工芸家、宝飾デザイナー。
前半生は、アール・ヌーボー様式の宝飾デザイナーとして活躍。
その後、ガラス工芸家に転進。
作品には、ガラス製の噴水「フランスの泉」がある。