笛子の苦悩

今回の「純情きらり」は、笛子の妻として、母として、
そして、女としての苦悩をモチーフにして、展開していた。
冬吾(西島秀俊)が、働いている現場に乗り込んだ笛子(寺島しのぶ)の
怒りが爆発する。
「二人で、私のこと騙していたくせに」
冬吾の才能に惚れ、尽くしてきた自分を、笛子は否定されたと感じたのだろう。


やや斜めのアングルで、笛子を姿を流す映像があった。
笛子の疲れた心象風景を表現しているのかもしれない。
唐突に、笛子は、土に鍬の刃を打ち込む。
半ば、何かに取り憑かれたように、必死に鍬を振るう姉の姿に、
妹の桜子(宮崎あおい)は驚く。
「冬吾のためにも、この子のためにも私は何もできんもの。」
笛子は自らの力のなさに、喪失感を覚えていたのだ。
「おねえちゃん、お乳をあげて」
母親として、姉を目覚めさせるべく桜子は呼びかける。


桜子が目覚めると、笛子が身支度をしている。
「家を出ていく」と言う。
冬吾に笛子は、
「あなたに思う存分絵を描いてもらうためです。」
「あなたのことは、遠くから見守っていますから。」
冬吾は笛子の頬を叩く。
「俺が好きなのか、俺の絵が好きなのか。」
「俺は絵の神様なんかじゃない。」
「 おまえなしでは何も出来ない男だと、まだ解からないのか。」
笛子は桜子の胸で嗚咽する。
「どうすればいいの、わからなくなちゃったよ。」


桜子と杏子(井川遥)が、姉の笛子のことを話す場面が印象的だった。
女の幸せについて語る姉妹。
夫と子供二人と暮らせる姉は幸せだと、二人の妹は話す。
戦地の達彦(福士誠治)から、一年音信不通の桜子。
結婚はこりごりと、杏子。
有森家の三姉妹それぞれの人生は、今後どうなるのだろう。



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