ニコタマ


ルート246で多摩川二子橋渡ると、高島屋が見えてくる。
神奈川県から東京都に入る。
二子玉川(ふたこたまがわ)だ。
自由が丘に住んでいた頃、たまに二子玉川まで、
足を伸ばし散歩したことがある。
多摩川と緑もあり、お洒落な店もあり、
良い所だなと思っていた。
なんとなく武蔵野も残っているし。
この二子玉川は、微妙な位置にあった。


私が自由が丘に住んでいたのは20年以上前だが、
二子玉川をぶらぶらしたのも同じく1980年代だ。
当時から、東京世田谷の用賀、瀬田は高級住宅地であった。
同じ東急線の、目黒区自由が丘も住宅地であり、
お洒落なブティクや美味しいケーキ屋などがあった。
九品仏まで行くと、閑静な住宅街があり、比較的広い畑もあった。


   「流れゆく大根の葉の早さかな」


この高浜虚子の俳句も、この九品仏周辺の小川での、冬の風景である。
二子玉川も同じく、多摩川の少し上流の宇奈根あたりは、
当時、まだまだ畑が点在し、のどかな風景だったと思う。
今のように、「ニコタマ」と呼ばれていたか、記憶にないが、
お洒落な街になりつつあるが、多摩川と武蔵野の緑のある、
魅力ある街だった。


私は、農家のある東京の街が好きだ。
東京の郊外は、そうしたところに、趣味がある。
なにも、綺麗なファッションセンス溢れる街だけが、
東京にお似合いということもないのではないか。
二子玉川も変わりつつあるだろうし、
もう近くに、畑も点在していないのかもしれない。
来年は、二子玉川に行ってみたいと思う。