短日(たんじつ)
BSの「俳句王国」を視た。
兼題は短日、「ホトトギス」の稲畑汀子主宰が出演していた。
印象に残った俳句は、
短日のふっと会ひたき人のゐて
という俳句であった。
「短日」は冬の季語。
冬の日は短く、日暮れが早い。
子供の頃、冬の午後などカン蹴りをしていると、
あっという間に夕暮れになってしまった記憶がある。
そうすると、心の中まで、夕暮れて寂しい気分になったものだ。
大人の今は、仕事の合間に窓越しに見える、
暮れなずむ街をみたとき、少しセンチメンタルになり、人恋しくなる。
ふと、初恋の人、故郷の親、あるいは、友人が脳裏に浮かぶことがある。
ことに、日のつまるころは、感傷的になる。
日常の中、誰もが感じるノスタルジア。
稲畑汀子主宰のおっしゃる通り、「会ひたき人」を、
恋人とか友人とかに、限定しないほうが、
俳句のイメージが広がるかもしれない。
私が好きな「短日」の俳句は、
その言葉さびしくききて日短か 朱鳥
「短日」の季語で自作の俳句。
短日の握りしめたる白き指
短日の峠を越えて繭の村