華麗なる一族


山崎豊子原作の「華麗なる一族」が放映された。
万俵家一族の人間模様を中心に、高度経済成長の日本の産業界を描く。
家長で阪神銀行のオーナー、万俵大介に北大路欣也
阪神特殊鋼の専務、万俵家の長男鉄平に木村拓哉
大介の妻寧子(原田美枝子)執事で愛人の高須相子(鈴木京香


今はなき、東京丸の内の旧丸ビルをふと思い出した。
旧丸ビルは会社の講習会で、何度か訪れた。
重厚な作りと、威厳を旧丸ビルに感じた。
新宿の高層ビルより、旧丸ビルに私は魅力を感じていた。
財閥のビル、そんな雰囲気があった。


華麗なる一族」では、長男の鉄平の気持ちも分かるが、
どこか、父親である万俵大介の生き方にも共感する。
新年の銀行の仕事初めの折、オーナーの大介が、
「行員の生活を守らなければならない。」
会社を一家として、自分の身体として感じている大介。
鉄平は理想を追い求める、現場を大切にする経営者。
大介は会社と家族を守ることを心情としている経営者。
鉄平は、行動しながら考える。
大介は、考えてから行動する。


脇役陣も充実している。
ベテランでは、津川雅彦西田敏行武田鉄矢、多岐川裕美。
中堅では、柳葉敏郎仲村トオル山本耕史稲森いずみ長谷川京子
若手では、成宮寛貴山田優吹石一恵、相武沙季。
異色では、笑福亭鶴瓶
それぞれが、個性的な役を適材適所で演じている。
それにしても、鉄平の義理父役の西田敏行はお座敷が似合う俳優だ。
白い巨塔」で、財前五郎唐沢寿明)の義理父役を演じていたとき、
お座敷での場面が、妙に馴染んでいた。


父と息子の愛と葛藤。
大介は、万俵財閥創始者の、祖父に似ている息子に嫉妬している。
「将軍」は、創始者の祖父が呼んだ時にしか現れない金色の鯉。
鉄平が手を叩くと、十二年ぶりに現れた金色の鯉将軍。


「やはりおまえはじいさんの子か。」


呆然として呟く父大介の言葉が印象に残った。