毘沙門天


長尾景虎(ガクト)の一種神憑りの演技が光る。
同じく大河小説の「天と地と」の、
石坂浩二演じる上杉謙信も、正攻法の演技で良かった。
ガクトは、そのカリスマ性が、景虎(謙信)のシャーマンな性格とコラボする。
景虎の荒ぶる魂は、毘沙門天の化身であり、
ガクトの荒ぶる魂はロックへと昇華する。
外見の透徹した印象と、内面の燃える情念。
相反した魂がぶつかり合い、苦悩し、その苦悩がエネルギーとなる二人。


自らを、毘沙門天の生まれ変わりとする景虎
義を重んじる長尾景虎は、やがて越後の龍と呼ばれる、
上杉謙信となる。
越後人は、上杉謙信山本五十六、そして田中角栄には、
特別な思いがある。
三人とも義に厚い人物。


一方、山本勘助内野聖陽)は、紀州根来に鉄砲を買い付けに行く。
100丁の鉄砲の買い付けに成功する。
時代の先端を行く武器である鉄砲。
やがて、この鉄砲こそ、無敵の武田軍団を壊滅させることとなる。