いざ、初陣


 妙に初出勤(初陣)の日を覚えている。
もう25年ほど前なのに・・・・・・
何となく、先輩社員が固い表情だったが、
事務の女性はにこやかだった。
ただ、部長がやたら親切で?
「いじめられたらいつでも言えよ」
と、話していた。
初出勤(初陣)は、特別な日なのかもしれない・・・


兼続(妻夫木聡)もいよいよ初陣となる。
ところが、ヒューマニストの彼は、敵を殺めることができない。
仏心が仇となり、
味方に怪我を負わせてしまう。


上杉家では、景勝派(北村一輝)影虎派(玉山鉄二)に二分されていた。
兼続は、景虎派からいじめの標的にされ、
屈辱の日々を送る。
そうした中、景虎の近習が景勝に見立てた犬をいたぶり、
バカにしているところを見かけた兼続は、
掟を破り、刀を抜いてしまう。


自分で自分の感情をコントロールできなくなった兼続を、
賢明な謙信(阿部寛)は、頭を冷やし、己を取り戻させるべく、
戦場から離脱させる。
謙信より兼続は蟄居(ちっきょ)の沙汰を受ける。


一方、お船常盤貴子)も自らの兼続への好意から、
縁談に乗り気になれない。
お船の女心が揺れる。


初音(長澤まさみ)もまた、兼続に特別な感情を持ち始めていた。
兼続に会いながらも、信長(吉川晃司)には合わなかったと、
偽りの報告をする。


兼続、お船、初音と、
いずれも心の迷いにいるようだ。