青春


「あのときの写真がないんだよ」
「あの時って・・・」
「学生時代にサークルのみんなで海に行ったじゃないか」
「本当に楽しいと時って記念写真とか、
 写真を撮ることを忘れちゃうんじゃないかな」
「そうか青春時代みたいなものか」
「その真っ只中にいると、
 自分が青春だということを忘れてしまうことがあるものな」
「そういえば俺の彼女は詩人だったから、
 こんなことを言っていた」
「桜が散って初めて春だとわかったことがあったの
 桜が咲いて、満開になったことさえ忘れていたの
 それほど恋に夢中になっていたことがあった」
「そうか青春という季節に夢中になっていたのか」
「おまえの彼女は恋して桜の化身になってたのかもな」
「おまえもなかなか詩人だね・・・」