蟬しぐれ


   初恋を
    貫き通す
      蟬しぐれ

   荷車の
    動き出したる
       蟬しぐれ


   蟬しぐれ
    淡き恋ゆゑ
      激しけれ


   尼寺の
    尼になる日の
       蟬しぐれ


季語は蟬しぐれで夏。
市川染五郎木村佳乃共演、
藤沢周平原作の「蟬しぐれ」からの作句。


文四郎とふくは幼馴染。
文四郎には武士として過酷な試練が待ち受けていた。
文四郎の父が藩の派閥争いの犠牲となり切腹したのだ。
どん底に突き落とされた文四郎にふくは暖かくり寄り添っていた。
そんなふくが藩主の側室になる。
それから二十年の月日が経ち、
藩主が亡くなりふくは尼になることに。
ふくは想いを寄せていた幼馴染の文四郎に逢いたいと文を送る。
ふたりは二十年ぶりの出逢いとなる。