遣らずの雨


    夕立の
     遣らずの雨と
       なりにけり


(ゆうだちの やらずのあめと なりにけり)


季語は夕立(ゆうだち)で夏


あれは8月、浅草雷5656会館の邦楽の会でのこと。
父の清元の「玉屋」の演目が終わり、
ロビーに出てみると、窓の外は驟雨で白く煙っていた。
「遣らずの雨だね。」
浴衣姿の旦那の一言が粋だった。


遣らずの雨(やらずのあめ)
帰ろうとする人をひきとめるかのように降ってくる雨。